2002年秋場所「優勝自戦記」に代えて
安藤俊之
 

 1960年代、日本のプロ野球界に「契約金の高騰を防ぎ、戦力の均衡化を図る」目的で、ドラフト制度が12球団の同意の下、導入された。
契約金の方は表向きは著しい違反はなく、また、戦力の方も、70年代に続々と初優勝を達成するチームが出るに及び、ついに全球団が1度は優勝するに至った。見事に均衡化が実現したのだ。

ところが、この制度によって常勝なる看板を失った老舗チームが、自力での選手育成を放棄し、順調に機能していたこの制度の改悪に乗り出した90年代、それまで保たれていた球界の秩序が崩れだし、同時期に導入されたFA制度の異常な不公平さもあって、各球団の戦力の均衡は完全に崩壊、今年遂に老舗チーム史上初めての日本選手権全勝という結果を生んだ。

以上、これは決してフィクションではなく、ノンフィクションである。

一応、プロ野球ファンを自称する小生としては、この流れは極めて遺憾である。特にパ・リーグを愛することなら職場でも屈指、という身としては、今回のライオンズの惨敗は、昨年のわがBUFFALOESの敗戦以上に正視に堪えないものであった。
米国へ、またもう一方のリーグへ有力選手を続々と失っていった痛手は想像以上に大きく、ここ3年の選手権試合で、両リーグの現在のレベル差が証明されたと言わざるをえない。その差、推定大駒1枚か。
本当に悲しい。

ところが、健全なファンの眼から見ると、困ったことに、何故か、昔から苦しいながらも懸命に球団経営を続ける多くの貧乏チームの支持よりも、度重なるルール改悪で強豪の座を保つ悪業チームの支持の方が、断然多いのだ。それには、実に様々の要因があるのだが、本来の日本人気質とは到底合わないと思われる不思議な現象である。

ここのサイトを見ている数少ない(?)「プロ野球ファン」にお願い!
前述した老舗チーム恒例の悪業が、今年のドラフト会議において、またも繰り返されるらしいという噂がある。
今のシステムが変わらないと、それこそ野茂やイチロー級の選手が突如として現れない限り、あの9連覇の悪夢が繰り返される可能性が出てきた。そんなことになったら、日本のプロ野球は滅亡しかねない。
当時と違って、今は多方面にいくらでも面白い競技等が存在する時代。「プロ野球ファン」を自称するのであれば、どうか、この老舗球団を応援することだけは止めていただきたい、ということを切に希望します。
既に何年も応援してきた方々には、勇気を出して応援を止めてみると、今までとは違った観点から、実に楽しく野球を見られることを、小生が100%保証致します。ご一考願えれば幸いです。

※既に先場所終了直後にある程度書きあがっていた内容を、急遽差し替えさせていただきました。内容が不愉快な諸氏もいらっしゃるかもしれませんが、ご容赦願います。

※追伸。「貴闘力に関して」
秋場所前は、寺尾ともども、大丈夫だろうと思っていたが、あにはからんや、序盤から連敗街道まっしぐら・・・
最後の一番をNHKが、幕内の取組中に結果と共に映像も流してくれたので、なんとか見ることができたのは幸運だった。
スモウゲームを初めてから約6年になる。「やった!」とか「しめしめ」と思ったことは何度もあったが、「感動した」ことは、2回しかない。琴錦と貴闘力の優勝がそれで、特に、貴闘力が雅山に勝った一番は、勝てないだろうと予想していたので、並の感動ではなかった。自分が、その場所、連盟で1位になったこともあり、今でも強く印象に残っている。
長い間の土俵生活、お疲れさまでした。
 

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