わたくしは犬でございます。名前はピンクと申します。生まれて4ヶ月たちます。ご主人様のお兄様が、わたくしの名前を使って何かなさっていたようで、お兄様にかわってわたくしが文章をしたためたいと存じます。
何か、からだの大きな方たちのなさっている喧嘩のようなものの勝ち負けを予想なさって、得点の多い少ないを競うゲームのようでございます。
お兄様は、生来山師的なご性格のようで、始めた当初は、一発狙いで皆様とは少々かわった予想をされて、ひどい成績をとっていらしゃった様でございます。ところが何度かなさっているうちに、強い方が当然ながら成績がよくて上位にいらしゃることに気づかれたようでございます。
わたくし思いますに少々気がつくのが遅いようでございますね。ひょっとしたら、お兄様はあまり頭がよろしくないのかもしれません。わたくしは、もうお座りもお手も覚えたというのに。おかわいそうなお兄様…。
気づかれてからのお兄様の予想は、なかなか優秀で、成績のほうもまずまずものになったようでございます。しかしながら、なにかが足らないのでございましょう、優勝は出来なかったようでございますが…。
そして運命の、世の皆様がミレニアムとお呼びになられている2000年の初場所を迎えられたのでございます。わたくしの優秀さにあやかろうと思われたのか、それまで使われておられたお名前から「名犬ピンク」と改名なさり、当然ながら運命が開けたようでございます。
強いから上位なのだ、の原則からセキワケと呼ばれておられる地位の方から順番に並べられました。実を申しますとはじめの予想では「タカノナミ」とおっしゃる方が4番目だったのでございますが、さるお方から体調が万全ではないとの情報をお聞きになり、お名前どおりお若い、ななか素敵な「タカノワカ」という方をくりあげられました。この辺はまだ、山師の気分が抜けきれていない所なのでしょうが、幸いにもこれが好手になったようでございます。
もうお一人、山師気分から選ばれたのが「キョクテンホウ」とわたくしには少々難しい字の方でございました。この位置なら結構勝つだろうと、何の根拠もないお兄様らしい予想で選ばれた方でしたが、これがまたまた好手(もう少し順位が上なら絶妙手と呼ばせていただけたのでございますが)。
あとはほぼ原則どおりなのですが、迷われたのは最後の1点のところで、迷えば悪手を指すというゲームがあるそうですが、やはりこれは悪手でございました。幸い、もともと点数の低いところなので、敗着とはなりませんでしたが。
で、結果は皆様がご存知のように、初の栄冠に輝いたのでございます。しかも一日として最高得点無しに。トータルでは、強いから上位なのだの原則は、真理でございます。
皆様もわたくしを信じればよいことがあるかもしれませんよ。わたくしを教祖と認めれば、正大師ぐらいにはしてさしあげますことよ。ワンワン。
ピンクでございました。では、また2ヶ月後にお会いいたしましょう。